家事・育児の時間 伸び日本一(大分県)

4人家族・親子のイラスト(カラー)



大分合同新聞
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 仕事に頑張り、家事や育児にも積極的―。近年の父親像は変化している。女性の社会進出が進み、共働き世帯が増える中、「父親は外で働き、母親は家庭を守る」という旧来のイメージは、若い世代を中心に薄れてきているようだ。
 6歳未満の子どもを持つ父親が家事・育児に携わった時間を見ると、2011年の大分県は1日平均86分(全国平均67分)で全国7位。母親の438分にはまだ遠く及ばないものの、5年前から50分増え、伸び率は日本一だった。
 全国データ(12年)では、父親が休日に家事・育児をする時間が長いほど、2人目以降の子どもをもうける夫婦の割合が多い。「しない」場合が14・0%なのに対し、「6時間以上」だと実に76・5%だった。
 PTA活動に積極的に関わる父親も増えている。県内の小中学校では父親の会の組織化が目立ち、除草など校内の環境整備をしたり、キャンプを企画したりと活躍。学校や母親は「男親だからできることは多い。子どもの成長にいい影響がある」とエールを送る。
 一方、男手一つでわが子を育てる父親もいる。県内の父子世帯数(10年)は891(母子世帯は7813)。昨秋から子どもの学費などに充てる貸付金制度が利用できるようになり、「公的支援に母子世帯との差はなくなった」(県こども子育て支援課)という。
 育児・家事をしやすい職場環境は整っているのだろうか。県が昨年度、県内620事業所に調査したところ、年間5日以上の育児休業を取得した父親は26人(2・8%)。県の支援事業もあり前年度から3人増えたが、母親の607人(89・3%)との差は大きい。
 ちなみに父親の懐具合は―。新生銀行が会社員対象に行った小遣いに関する全国調査によると、昨年の月平均額は3万4963円(妻子あり)。景気回復もあり前年より5441円増えたものの、「ゆとりがない」と嘆く人が大半を占めている。
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