伯耆町、0歳児の家庭保育支援 1人に月額数万円給付

山陰中央新報
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 鳥取県伯耆町は、保育所に預けずに家庭で0歳児を育てる場合、
子ども1人につき月額数万円を給付する制度を新年度に創設する方向で検討に乗り出した。
出産後、早期に職場復帰して0歳児を保育所に入れる保護者が増える中、
経済的支援をすることで、発達上重要とされる0歳児期に家庭で育児ができる環境を整える。
家庭保育が進めば、保育士確保の負担も軽くなる。
町によると全国的にも珍しい施策という。

 町内で年間に出生する70人前後のうち、
60人程度が新制度を利用すると予測した上で、制度設計を進めている。
予算は約2千万円を予定し、地方創生関連の国の交付金を充てる見通し。
生活保護世帯の0歳児1人当たりに払われる手当の額などを参考にしながら、
給付額を詰めている。

 親が家庭で世話をする場合に加え、
祖父母ら家族に保育を頼んで親は働きに出るといった形でも給付を認めたい考え。
施設に預けたり、ネグレクト(育児放棄)の状態に陥っていたりする状況が確認されれば、
支払いを打ち切る。保健師の家庭訪問などを通じて、不適切な支給を防ぐ。

 景気低迷の長期化や、サービス業などを中心とする人手不足などを背景に、
町営の保育所に預けられる0歳児は、6年ほど前に比べてほぼ倍増している。
子どもと家族との愛情形成を図る上で、
0歳児は家庭で保育するのが望ましい在り方だと判断した。

 0歳児の家庭保育が進めば、保育所運営の円滑化にも役立つ。
一般に3歳児は20人につき保育士1人の配置が求められているのに対し、
片時も目が離せない0歳児は3人に対し保育士1人を充てる必要がある。
0歳児の受け入れが減れば、保育士の慢性的な不足傾向の緩和にもつながる。

 同町の谷口仁志福祉課長は「ここまで踏み込んだ手当の給付は画期的だと思う。
発達上の良い影響が見込める上、もう一人産むという方向にも
つながるのではないか」と話している。
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